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日中シンクロで撮るドラマチック写真術 屋外でのストロボの使い方とは?

2021 Jul 24|OTHER

(このページは2021年7月14日に更新されました。)

「逆光でも綺麗に撮影する方法ないの?」
「日中シンクロって実際どうすればいいのか分からない、、、」
「ストロボを使った表現の幅を広げたい!」
この記事は、そんな方に向けて書いています。

はじめまして。
熊本の撮影スタジオ、C STUDIOです。

日中ストロボを使うことで、逆光の中被写体を明るく撮ることができる日中シンクロ。
日中シンクロを使えるようになれば、「背景が綺麗なのに逆光で顔が黒つぶれしてしまう」といったお悩みを解決し、「これ、どうやって撮ったの?」と驚くドラマチックな写真を撮影できるようになります。

この記事では、そんな日中シンクロの撮影手順やコツ、必要機材について、細かくご説明していきます!

1.日中シンクロとは

日中シンクロとは、昼間など明るい野外で、影をストロボで照らす撮影手法です。
「日中は十分な光量があるからストロボなんていらないのでは?」
と思う方もいるかもしれませんが、日中でもストロボを使うことで、写真撮影、特にポートレート撮影の表現の幅がグッと広がりますよ。

背景に露出を合わせて逆光で撮った写真と、被写体に合わせて白飛びした写真、その状態で日中シンクロをした写真

逆光の例がイメージしやすいでしょう。
皆さんも「逆光で人を撮ったら顔が黒く写ってしまう」「人に露出を合わせたら空の色が真っ白に飛んでしまった」という経験があるのではないでしょうか?
カメラのセンサーは、人間の目ほど明暗を同時に写すことができず、明るい部分、暗い部分のどちらか一方にしか露出を合わせることができません。
それにより被写体、もしくは背景に露出を合わせることで、白飛びや黒つぶれをおこしてしまいます。
影となる暗い部分にストロボを当てることで、こういったお悩みを解決し、日中でも被写体と背景両方をくっきりと綺麗に写すことができるようになります。

日中シンクロを使うメリット
・被写体と背景の明るさをコントロールできる
・被写体に当たる光の向きを調整できる
・キャッチライトが入る

2.準備する機材


①ストロボ(オフカメラで使用できるもの) 

日中シンクロでは、太陽の光に負けないような光量が必要となりますが、ある程度強い光量が出せるものであれば、クリップオンストロボでもOKです。
また、ライトの位置を調整するためにも、カメラと離してオフカメラで利用できるものがおすすめです。
電波式のものを使用する際は、送受信機もお忘れなく!

②ストロボをセットするスタンド機材

ストロボをオフカメラで使う場合は、セットするスタンドも必要となります。
スタンドは倒れやすいため、ある程度の強度のあるものを選び、使用する際は石など重いものでスタンドを固定しておくと安心です。

③ディフューザー

ソフトボックスや傘など、ストロボの光を拡散させる機材がディフューザー。
野外でストロボを使う際は被写体にストロボを向けますが、ストロボの硬い光を直当てすると、いかにもストロボを当てた、記者会見のようなパキッとした光になってしまいます。
そこでディフューザーがあれば、ストロボの光を柔らかくし、より自然な光で撮影することができます。

ソフトボックスに関しては、内側が白のものが、銀色に比べて柔らかい光となります。
強い光を必要とする日中シンクロでは、銀色のソフトボックスの方が向いているため、使用用途や表現したいイメージによって使い分けると良いでしょう。

そのほかにも、様々なタイプがあるため、気になったものを試してみてください!

3.太陽とストロボの位置

図式

日中シンクロで撮影する際は、太陽を斜め後ろに、フラッシュをカメラの位置から見て45度の位置に配置すると自然に見えます。

4.撮影の手順


①ストロボなしで背景に露出を合わせる

ISOを最低感度の100に設定
シャッタースピードをストロボの同調速度で最も早い値(およそ1/250)に決める
(後々ストロボを使うため。ストロボの同調速度については以下の記事をチェック!)


絞りを調整する
②被写体に向けてフラッシュをたき、ストロボの位置と発光量を調節する
③全体の明るさを整える
 F:全体の明るさ
  ・ SS:背景だけ明るさ
  ・ ISO:全体の明るさ
  ・ フラッシュの光量:被写体の明るさ
 フラッシュの位置:被写体の明るさ

①ストロボなしで背景に露出を合わせる

日中シンクロを行う際は、カメラの設定をオートではなくマニュアルモードで撮影。
まずはストロボを使わず、背景に露出を合わせていきましょう。
ちなみに、この時点で被写体の逆光は気にしなくて大丈夫です。

背景に露出を合わせるときのコツは、
ISOを最低感度の100に設定
シャッタースピードをストロボの同調速度で最も早い値(およそ1/250)に決める
(後々ストロボを使うため。ストロボの同調速度については以下の記事をチェック!)
絞りを調整する

ただ、1/250というシャッタースピードでは、昼間の撮影の場合f値をかなり絞り込むことになるでしょう。
そうなると、単焦点レンズを使ってf値を下げ、ボケを活かしたい場合などには向いていませんよね。

そんな時に役に立つのがNDフィルター(減光フィルター)とハイスピードシンクロ。
この2つについては、ページ後半の「NDフィルターとハイスピードシンクロで露出を調整」で詳しく解説します!

②被写体に向けてフラッシュをたき、ストロボの位置と発光量を調節する

背景に露出があった時点では被写体に露出が合わず、黒く影になっていると思います。
そこで、被写体に向けてストロボをたき影をおこしていきます。

まず、ストロボの設定が「自動発光」「オート」では、日中発光しないことがあるため、「強制発光」に変更します。
ストロボの光量は、TTL機能を使うか、マニュアルで強さを調整。
日中シンクロでは夜間よりもかなり強い光が必要になりますが、ストロボを痛めてしまうためフル発光は極力避けましょう。

③全体の明るさを整える

最後に、全体的な明るさを調整していきます。
カメラとストロボ、それぞれの値がどのように背景や被写体の明るさに関係してくるか、理解しておくと調整がスムーズです。

   F:全体の明るさ
   SS:背景だけ明るさ
   ISO:全体の明るさ
   フラッシュの光量:被写体の明るさ
   フラッシュの位置:被写体の明るさ

フラッシュを近づけるほど被写体は明るくなりますが、近づけすぎると被写体全体に光がまわらなくなります。
被写体の明るさや、光のあたり具合を見ながらストロボの位置も調整しましょう。

5.NDフィルターとハイスピードシンクロで露出を調整する


①NDフィルター(減光フィルター)とは

NDフィルターの写真

出典:キャノンオンラインショップ https://store.canon.jp/online/g/g3625V529/

NDフィルターとは、レンズに装着するグレーのフィルターです。
このフィルターを通すことで、レンズに入る光の量を減らすことができます。

カメラの設定を行う際に、
「シャッタースピードを1/250にすると明るすぎる→絞りを開放できずにボケた写真が撮れない」
という問題がありましたね。
NDフィルターを使って、物理的に露出を暗くすることで、絞りをF1.4やF1.8のように開放にしても、明るくなりすぎず適正露出で撮影することができます。

しかし、フィルターを挟むことで画質が悪くなる、ピントがあいにくくなるといったデメリットもあります。

(メリット)
・白飛びを抑えられる
・F値を絞らずに暗くすることができる

(デメリット)
・画質が悪くなる
・ピントが合いにくくなる

②ハイスピードシンクロとは


ハイスピードシンクロとは、ストロボについている機能です。
カメラの同調速度(シンクロスピード)よりも早いシャッタースピードでの撮影を可能にします。

カメラの設定を行う際に、
「カメラの同調速度に合わせて、シャッタースピードを1/250より早くできない」
という制限がありました。

同調速度よりも早いシャッタースピードにしてしまうと、シャッタースピードにストロボが閃光するタイミングが合わず、画面が暗くなってしまう現象が起こります。
ところが、このハイスピードシンクロでは、フラッシュを瞬間的に連続発光し、閃光をシャッターとシンクロさせることができるのです。

これにより、シャッタースピードを1/250以上にし、で明るさを調整することができます。
F値を小さくし、ボケを活かしたい時などに有効です。

しかし、ストロボの寿命が短くなる、通常と比べて光量が落ちるといったデメリットもあります。

(ハイスピードシンクロを使う際のカメラ設定手順)
ISOを最低感度の100に設定
絞りを調整する
シャッタースピードで明るさを調整する

(メリット)
・同調速度を超えたシャッタースピードにもできる
・絞りを開放でとることができる

(デメリット)
・ストロボの寿命が短くなる(バッテリーを消費する)
・光量が落ちる

NDフィルターとハイスピードシンクロどちらを使うか、また、両方使うのかは、メリットとデメリットを見た上で検討してみてください。ちなみにプロの方は、ハイスピードシンクロ単体、もしくはNDフィルターと併用している方が多いようです。

ハイスピードシンクロは、使えると便利な機能ですので、ストロボ購入の際には見ておくと良いかもしれません。

6.まとめ


日中シンクロの撮り方やコツをお伝えしてきました。
一見難しそうに見える撮影方法ですが、手順を踏んで、コツをつかめば簡単に撮ることができます。
また、暗所だけでなく、日中にもストロボを使う方法を知っておくことで、表現の幅を広げることができます。
野外ポートレートや日中の撮影で大活躍の、便利なテクニックですので、ぜひ試してみてください!

7.C-studioとは


当スタジオは再開発が進み、熊本で注目されている熊本駅の近隣の山、花岡山にあります。日々刻々と生まれ変わってゆく町並みや、人の生活。その中で、常にたくさんのものに触れ、新たなものを生み出す。あるいはそんな中でも、いまあるものを大切にし、その可能性を追求していく。そんな人の営みのお手伝いをさせていただきたいと考えております。新しいカルチャーの拠点として、お客様のクリエイティビティの発揮の場として当スタジオをご利用いただけますと幸いです。

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